「……」
その日――無芸梨理恵は、図書館からの帰りの中で、テロ組織の存在を知った
真っ先に、あの生徒会長は危ない目に遭っていないだろうかと不安になる
その矢先に――何となく、先日の『彼』と同じ臭いのする、不信感を抱かせる少年が居たのだ
「……止まりなさい」
自分は、どうしてこうも――妙な奴に会うのだろうかと
しかし、忠犬は忠犬らしく、『彼女』の露払いを行うのみだった
「貴方――そのタイヤは何ですか?」
単刀直入であった
頭の固さも由来してか――そのような態度である
「そうですね。……もし所用で引き摺っているのなら謝りますが――」
幼子相手に、電撃を見せる
「――そうでない場合は、首にスタンガンが入りますよ」
そのまま彼がタイヤを軽々と扱い――振り上げた瞬間、彼女は飛び上がる
コンクリートの壁――その中に入っている鉄器に、磁力で張り付いていた
「――相性が悪いですね。ゴムと電気とは――」
「――」
ど、と地面に叩き付けられ――痛みをこらえながら起き上がろうするが、中々動かない
電気を宙に走らせると、彼女の近くに立っていた電灯へと無理矢理己の足を引き寄せる
電灯の上部に降り立ち、息絶え絶えに彼を見下ろした
「!!」
(避け――)
瞬時に思考する。――普段ならばそのまま電撃で吹き飛ばしていたところだが、飛来するその物体にはそれも叶わない
左に体を傾かせようとしたが、間に合わず――タイヤと衝突、地面に落下していく
「ぐっ!」
落ちる最中、手を開き電撃を放とうとするが、少量しか出ない――
地面に直撃する手前にて、彼女は目を瞑った
その日――無芸梨理恵は、図書館からの帰りの中で、テロ組織の存在を知った
真っ先に、あの生徒会長は危ない目に遭っていないだろうかと不安になる
その矢先に――何となく、先日の『彼』と同じ臭いのする、不信感を抱かせる少年が居たのだ
「……止まりなさい」
自分は、どうしてこうも――妙な奴に会うのだろうかと
しかし、忠犬は忠犬らしく、『彼女』の露払いを行うのみだった
「……?」
眼鏡をかけた小綺麗な少年が、何故か、巨大なタイヤを片手で引きずりながら歩いていた。
"勘の良い少女"の目に留まり、声を掛けられた彼は、ひたりと足を止める
そして不自然なほど淡々とした、幼い無表情で、小首を傾げた
「…なに?」
眼鏡をかけた小綺麗な少年が、何故か、巨大なタイヤを片手で引きずりながら歩いていた。
"勘の良い少女"の目に留まり、声を掛けられた彼は、ひたりと足を止める
そして不自然なほど淡々とした、幼い無表情で、小首を傾げた
「…なに?」
「貴方――そのタイヤは何ですか?」
単刀直入であった
頭の固さも由来してか――そのような態度である
「そうですね。……もし所用で引き摺っているのなら謝りますが――」
幼子相手に、電撃を見せる
「――そうでない場合は、首にスタンガンが入りますよ」
「……!」
少女の手から電撃が出現し、眼鏡越しに目を見開く。その後、少しだけ微笑み
「…所用だよ。意味も無くこんな重そうなもの、持ってるわけないじゃん」
相手が自分とそう歳が変わらないように見えているからか、タメ口での応対。そして、
"重そうな"巨大なタイヤを、
"片手で軽々と"持ち上げ、相手に向け、笑った
「おねえさんなら分かるんじゃない、僕の"所用"の内容」
彼がつけているグローブが、「軽」の能力を秘めた道具であり――故に、彼は堅く重いタイヤであろうと"軽い物だと脳が認識している"のだ
ダッと少年は走り出し、彼女の下に踏み込む
少女の手から電撃が出現し、眼鏡越しに目を見開く。その後、少しだけ微笑み
「…所用だよ。意味も無くこんな重そうなもの、持ってるわけないじゃん」
相手が自分とそう歳が変わらないように見えているからか、タメ口での応対。そして、
"重そうな"巨大なタイヤを、
"片手で軽々と"持ち上げ、相手に向け、笑った
「おねえさんなら分かるんじゃない、僕の"所用"の内容」
彼がつけているグローブが、「軽」の能力を秘めた道具であり――故に、彼は堅く重いタイヤであろうと"軽い物だと脳が認識している"のだ
ダッと少年は走り出し、彼女の下に踏み込む
そのまま彼がタイヤを軽々と扱い――振り上げた瞬間、彼女は飛び上がる
コンクリートの壁――その中に入っている鉄器に、磁力で張り付いていた
「――相性が悪いですね。ゴムと電気とは――」
「すげえ。そんなこともできるんだ」
僅かに開口して笑いながら見上げる。小生意気で、少し冷静だが、年相応の反応
しかし、彼も「コーギー」――戦闘部隊GODの一員。身体能力はただの少年ではない
磁力を消し、足が壁から離れ――重力に任せ、彼の頭上に向けて踵を落とそうとする彼女をニヒルに見やると、
落ちて来る最中の空中の彼女の身体を思い切り、薙ぐようにタイヤを振りかざした
僅かに開口して笑いながら見上げる。小生意気で、少し冷静だが、年相応の反応
しかし、彼も「コーギー」――戦闘部隊GODの一員。身体能力はただの少年ではない
磁力を消し、足が壁から離れ――重力に任せ、彼の頭上に向けて踵を落とそうとする彼女をニヒルに見やると、
落ちて来る最中の空中の彼女の身体を思い切り、薙ぐようにタイヤを振りかざした
「――」
ど、と地面に叩き付けられ――痛みをこらえながら起き上がろうするが、中々動かない
電気を宙に走らせると、彼女の近くに立っていた電灯へと無理矢理己の足を引き寄せる
電灯の上部に降り立ち、息絶え絶えに彼を見下ろした
「うわあーー、動けるんだ…」
勝ち誇った顔でいた少年は、見上げ、尊敬しているような目で――しかし、可哀想な物を見るような声でぼやく
彼は――持っていたタイヤを、笑ったまま構え直し、――
「そ、れえっ!!!」
重く巨大なタイヤを、――思い切り投げ付けた
勝ち誇った顔でいた少年は、見上げ、尊敬しているような目で――しかし、可哀想な物を見るような声でぼやく
彼は――持っていたタイヤを、笑ったまま構え直し、――
「そ、れえっ!!!」
重く巨大なタイヤを、――思い切り投げ付けた
「!!」
(避け――)
瞬時に思考する。――普段ならばそのまま電撃で吹き飛ばしていたところだが、飛来するその物体にはそれも叶わない
左に体を傾かせようとしたが、間に合わず――タイヤと衝突、地面に落下していく
「ぐっ!」
落ちる最中、手を開き電撃を放とうとするが、少量しか出ない――
地面に直撃する手前にて、彼女は目を瞑った
コーギー by jin.
無芸梨理恵 by kimi.31. 無芸梨理恵vsコーギー 了(20160122)
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